腎虚(じんきょ)には、大きく5つのタイプがあります。
下のチェック表で一番多くチェックがついたものを確認してみてください。
チェックしてみよう
□ | 顔色がさえない、艶がない | ![]() |
□ | 手足が冷える、または冷え性である | |
□ | やる気が持続せず、すぐに疲れる | |
□ | 夜間や冷えるとトイレが近い | |
□ | 乾燥肌で、のどがすぐ乾く | ![]() |
□ | ちょっとした動作ですぐ息切れする | |
□ | 風邪をひきやすく、咳がでやすい | |
□ | 便が固い、また便秘になりやすい | |
□ | 眠りが浅い、眠れない、よく夢を見る | ![]() |
□ | 動悸がする | |
□ | 理由もなく不安を感じてしまう | |
□ | 物忘れが激しい | |
□ | 目が乾きやすい、目が疲れやすい | ![]() |
□ | めまい・耳鳴りがする | |
□ | 筋肉がつりやすい | |
□ | 血圧が高め、または血圧が上がりやすい | |
□ | 青あざが出来やすい、肩こりがひどい | ![]() |
□ | 顔色や舌の色が紫暗色 | |
□ | 針で刺すような痛みがある | |
□ | 生理血が黒っぽい、塊がある |
いかがでしたか?
複数のタイプに当てはまった方は複合タイプですので、何が強いか弱いか、根本的な問題は何か、で丁寧な対応をしなければなりませんが、まずはタイプ毎の基本的な考え方を見てみましょう。

手足が冷えやすく寒がり、生命エネルギーが足りないためです。やる気や根気も持続せず、精神的にも弱くなっています。 また、エネルギーは筋肉で生まれるため筋肉も弱くなっている場合が多く、腰痛・ひざ痛・失禁などの筋肉に関係する衰えがでています。
まずは体を内と外から温めることが重要です。加えて、自分でエネルギーを作れるような体つくりを目指しましょう。抵抗力もついてきます。
良い食べ物
しょうが・ニンニク・ねぎ・山芋・栗・唐辛子・シナモン・朝鮮人参・うなぎ・羊肉など
よく使われる漢方薬
八味丸(金匱腎気丸)・海馬補腎丸(かいまほじんがん)・至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)・独歩丸(どっぽがん)
生活養生アドバイス
首もとと足元を冷やさないような服装をしましょう。冷える冬は頻繁に暖をとり、夏でも薄着は厳禁、からだを締めつける服も避け、クーラー対策もしっかりしましょう。食べ物は生のもの冷えたものは夏でも控えます。熱処理をして温かいものを採りましょう。

まるで強い日差しに照らされたカラカラに渇いた砂漠のよう、いくら水をやっても大地が熱しているので水はすぐ蒸発し行き渡らず、枯渇状態になっています。
体内に熱がこもっていて水分が常に不足している状態なので、口が渇き、咳がでやすく、肌はかさつき、固い便または便秘になりやすい状態です。
まずは潤いを補ってあげることが大切です。そして水分代謝機能を正常な状態に戻していってあげましょう。
良い食べ物
セロリ・大根・はちみつ・梨・豚肉・鶏卵・ほたて・牡蠣・あさり・大豆など
よく使われる漢方薬
麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)・八仙丸(はっせんがん)
生活養生アドバイス
特に夜型生活をしている方に多いのがこのタイプ。体のほてりをさます夜に活動しているので水が常に足りなくなります。昼は活動・夜は睡眠して休息といった自然のリズムで生活することが一番ですが、難しい方は漢方薬で調整してみましょう。また、昼にしっかり運動して熱を発散させておくというのも手です。水の足りない方は香辛料も控えめにしましょう。

夜なかなか寝付けない、寝付いても夜中に目を覚ましてしまう、不安感にさいなまれ、ひどい時には動悸もする、という状態です。
もともと虚弱体質な方に多いタイプです。食が細く、胃腸も弱く、下痢をしやすい、物忘れ、感情が乏しい、このタイプは痴呆症に注意が必要です。
先天性(うまれもったもの)の場合も含め、中医学で精神的な活動は心に気血(きけつ)の充足があってはじめて正常に機能すると考えます。
よって、ふさがっている気の穴を開放すること、気と血の流れをスムーズにし、特に脳の血流を良くしてあげることが重要なケアポイントとなります。
良い食べ物
紫蘇・しょうが・菊花茶・ハスの実・くるみ・山芋・あさり・あわび・イカ・牡蠣など
よく使われる漢方薬
天王補心丹(てんのうほしんたん)・牛黄清心丸(ごおうせいしんがん)・中成六神丸(ちゅうせいろくしんがん)
生活養生アドバイス
ストレスが溜まるとつい脂っこいものや甘いものに手をのばしがちですが、余計に気がふさぐのでちょっと我慢、香りの良い菊花茶などでティータイムを楽しんでみては?
また、眠れなくても夜更かしをせずベッドに早く入る習慣をつけましょう。寝る2時間前には悲しい気持ちになることは避け、音楽などでリラックス。 柑橘系ローズ系のアロマオイルの半身浴は安らかな眠りを誘います。試してみて!

ストレスの多い社会にいることの多い方がなりやすいタイプです。
肝の機能のひとつに「気のめぐりをコントロールする」というのがあります。この機能がうまく働いていない為、精神を安定できず、イライラしたり怒りっぽくなったり興奮しやすくなったりするのです。
放っておくと、ほてり・発汗・耳鳴り・めまい・激しい頭痛につながります。
まずは気を落ち着かせて、気をスムーズにめぐらせることを目標に生活してみましょう。
良い食べ物
紫蘇・春菊・セロリ・みかん・らっきょうなど
よく使われる漢方薬
加味逍遥散(かみしょうようさん)・杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)・大柴胡湯(だいさいことう)
生活養生アドバイス
つい食べたくなる味の濃いもの・唐辛子・ニンニク・コショウなどの香辛料は症状を悪化させるだけなので避けましょう。
漢方薬を上手に活用し、腹式呼吸(おへそを意識しながら鼻から息を吸い、一瞬息をとめておなかから吐き出す気持ちで口からふぅ~っとゆっくり息を吐きます、吸う時は1秒、吐く時は5秒を意識しましょう)で気持ちを落ち着かせるようにつとめましょう。
こまめに気分転換を、また、無理!と白旗をあげる勇気も大切です。

血の巡りが悪くなっている状態です。不規則な生活などで若い方にも多いのですが、老化によって血管がもろくなり老人性紫斑(青あざ)ができたり、お肌が乾燥して痒くなったり、毛細血管がくもの巣状に浮上がっていたりといった特徴が見られます。
しみ・そばかす・頭痛・肩こり・手足のしびれ・下腹部の不快感といった症状もおけつの特徴です。
脳の血行が悪くなると動脈硬化や認知症などに、心臓の血行が悪くなると心筋梗塞や狭心症などにつながる軽視できない状態です。
良い食べ物
セロリ・玉ねぎ・ニラ・ゆず・玄米・シナモン・ひじき・かじきまぐろ・くらげ・タコ・さくらんぼなど
よく使われる漢方薬
セロリ・玉ねぎ・ニラ・ゆず・玄米・シナモン・ひじき・かじきまぐろ・くらげ・タコ・さくらんぼなど
生活養生アドバイス
冷たい飲食や生で食べることは体を冷やし、血の巡りを余計悪くしますので避けましょう。くよくよしたり引きこもったりせず積極的に気分転換を!またこまめに動いて血流を良くしようという意識が大切です。
ストレッチや太極拳は、血の流れとともに気の流れをスムーズにしてくれるのでオススメです!

同病異治といい同じ症状でも対応方法が異なる場合や、異病同治といい異なる病気でも対応方法は同じ場合もございます。
漢方薬を正しく活用するためにも、是非一度ご来店頂き、当店の専門スタッフにご相談ください。スタッフ全員、心よりお待ちしております。
